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繰り返すことで質を上げる

竹を見つめ続けて20年

自然を愛する矯め直し職人

滋賀県東近江市|竹六商店

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親方のこと

名前: 鈴木繁行

職人名: 矯め直し(竹の矯正)職人

地域: 滋賀県東近江市

工房名: 竹六商店

町のお気に入りスポット:
桑実寺、安土城跡 

弱みを克服し、竹の新たな可能性を切りひらく

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天日干し中の竹材が印象的な工房入口

滋賀県東近江市の南西部に位置し、のどかな田園風景の広がる福堂町。この地に工房を構える竹六商店は、大正9年(1920年)の創業以来、竹をはじめとする建築内装材の製造販売を手掛けている。

軽くて丈夫、加工しやすい特性から、竹は伝統的な和風家屋に欠かせない身近な建築資材だった。しかし1950年代から1960年代にかけての高度経済成長期以降、プラスチックの台頭により竹の建築資材としての需要は激減。虫がつきやすい、カビが生えやすい、割れやすいという竹がもつ弱点の克服が、竹の建材としての復活につながると信じ、約20年前から竹六商店では本格的に取り組んできた。

防虫防カビ剤を長時間浸透させる防虫防カビ加工、発泡ウレタン樹脂を入れて強度を高める強化加工、色合いを調整する炭化加工、雨風に晒される屋外での使用を可能にする液体ガラス加工などさまざまな技術を開発。現在では茶室や一般住宅だけでなく、ホテル、旅館、商業施設や公共施設まで竹の需要は広がっている。

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導入事例:美しい竹の天井(現場名:名古屋経済大学 犬山キャンパス グローカルホール 設計:宇野・東畑設計企業体 施工:株式会社シンエイライフ 撮影:Studio MacCa)

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導入事例:竹をインテリアに取り入れる需要は増加(現場名:ホテル祇園一淋 設計:株式会社プラスエフ建築設計室 施工店:株式会社三信工務店)

多彩な商品のトータルコーディネートからインテリア家具まで、竹の生み出すライフスタイルを提案。そして、長年培ってきた竹素材のノウハウを生かしながら、新しい技法で商品づくりをおこない、竹の新たな可能性を探究し続けている。

誰もいないなら自分が。見よう見まねの挑戦が実を結ぶ

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竹が真っ直ぐになっているかを確認しながら矯正していく

埼玉越谷市出身の鈴木繁行(すずきしげゆき)さん。
「子供の頃は秘密基地を作ったり、少し遠出をして綺麗な川で釣りをしたり、自然の中で遊んでいました」

高校時代は野球部で、大学進学を機に関西へ。

「京都の大学を卒業後、滋賀県八日市に転居し、環境生活協同組合で配達と回収を担当していました。当時から地球温暖化は問題になっていて、河川の汚染など環境が少しでも良くなったらという思いもありました。だから生協のあとは、知り合いの浄化槽の会社に転職しました」

しかし、下水道整備の影響で仕事が減少したことをきっかけに、竹六商店に転職することに。

「自然素材を扱うという仕事は面白そうだと思いました。当初採用された営業はあまり合わず、職人の方へ。工場で働くことになってからは、最初から矯め直し(ためなおし)専任の職人というわけではなく、いろいろな作業に携わっていました」

竹を矯正することを「矯め直し(ためなおし)」という。「角を矯めて牛を殺す」ということわざもあり、実は一般的にも使われる言葉だという。

「30代後半で入社した頃、社内には矯め直し職人はいなくて、竹の矯正は外注していたんです。でも、それが嫌で。自分で直せるなら自分でやりたいと思いました」

決心した鈴木さんは、京都の老舗・清水銘竹店で油抜きの技術を1回見学したあと、ほとんど独学で竹の矯正技術を身につけた。

すべては、竹の価値を上げるために

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矯め直しの作業場

竹はまっすぐに生えているイメージがあるが、実際の竹やぶでは1本1本くねくねと異なる曲がり方をしている。それを職人が1本ずつ矯正するため、どうしても時間がかかる。

「それでも、できる限り早く作業をすることを心がけています。矯正作業は火と熱を使う昔ながらの手作業。竹に熱を加え、温まったうちにタメ木を使い、てこの原理を使って曲がりを直していく。自然に熱が冷めるとまっすぐに固定される。まっすぐに矯正すると、納入した竹の立ち姿・佇まいが美しくなり、半割(はんわり)加工やベニヤ貼りなどの仕上がりが格段に良くなります。竹の質をどう上げていくかを考えながら仕事しています」

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工房内には保管される多種多様な竹材

製竹業者から油抜きした竹材を購入し、まだ青い場合は更に天日干し、虫がつかないように防虫液につけてから矯正する。
太さは約7mm〜100mm、長さは2m〜6mとさまざま。一番短い2mの竹で、1日約100本を矯正するという。

「これらの作業はすべて竹の価値を上げるため。同じ作業の繰り返しで、単調といえば単調。でも他社よりうちの方が質がいいという自信があります。単調だけど手を抜かずに丁寧に繰り返すことが、質を上げていくことにつながります。大事なことだと思ってやっています」

人々に感動を与えられる商品づくりを目指す

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歪みが一切ない、まっすぐな竹

矯め直しは竹材の基本となる工程。矯め直し後の竹材はさらに加工され、茶室から和室、商業施設や公共施設などを彩る。鈴木さんは、お客さまに感動を与える商品づくりの一翼を担っているのだ。

「自分の思うように竹がまっすぐ伸びたとき、ドーパミンが出るんですよ。お客さんに自分の手がけた竹で喜んでもらえるのはやっぱり嬉しいです。そんな達成感があるからこそ、何十年も続けられてきたのだと思います。評価されるものを作り続けたいです」

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導入事例:飲食店からのニーズも高い

竹六商店には、京都府園部市にある伝統工芸専門学校・京都伝統工芸大学校の竹工芸専攻を卒業した若手職人が3名在籍している。

「専門学校を卒業した若い職人たちは竹を裂いたり編んだり、いろんな技術を学んでいます。自分にはできない仕事です。適材適所でお互いに相談しながら、担当は違っても連携しながら仕事しています。休憩時間は一緒にのんびりしていますよ」

鈴木さんに若手職人との関係性についても聞いてみた。

「特別意識はしていません。自分は周りに言われるほど技術があるわけじゃないし、強く言うことはないと思います。『ちゃんとしとけよ』とは言いますが、上下関係なくフレンドリーじゃないですかね。礼儀をわきまえて、お互い尊重し合っています」

自然とアートのある暮らし

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駅近くにある大きな複合施設

若い頃はバッグパッカーとしてフランスやイギリスを旅し、美術館巡りを楽しんでいた鈴木さん。
この辺りにも魅力的な美術館がたくさんあると言う。常設展で彫刻家の佐藤忠良と日本画家の平山郁夫、茶室もある佐川美術館、大津には滋賀県立美術館、信楽には世界的建築家I.M.ペイが設計したMIHO MUSEUMなど、おすすめを挙げてくれた。

「休みの日には美術館を訪れたり、ジムに行ったり、書店をのぞいて気になる本を買ったりしています。仕事では日常的に竹を運ぶのでジムは基礎体力作りのために通っていますが、ストレス発散にもなります。以前は琵琶湖一周ドライブもしていました。ロードバイクやオートバイでも琵琶湖周辺を走っている人も多く、SAPなどウォータースポーツも盛んですね」

竹六商店がある福堂町は、琵琶湖まで車で5分。高い建物もなく、空が広く自然豊かな地域だ。能登川駅周辺には飲食店やスーパー、薬局、書店、100円ショップなどが入った複合施設があり、多くの社員がこの辺りに住んでいる。京都市内まで電車や車で約1時間、コストコやアウトレットモールにも車で30分圏内。彦根や近江八幡にも近く、車があればとても暮らしやすい町だ。

おまけの話

子供の頃から自然に囲まれて育った鈴木さん。辿り着いたここ、東近江市福堂町で再び子供の頃の環境を取り戻したと話す。竹六商店の工房はいくつかの棟に別れ、手作業を行うメインの工房棟から車で数分の距離にある別棟では、主に機械処理が必要な工程が行われている。その向かいには遮る建物はなく、見渡すかぎり田園が広がり、空がどこまでも広がっている。田植えの頃には、水を張った田んぼの水面に夕陽が映り、美しい光景を見ることができる。鈴木さんはお昼休憩、時折この工房に隣接する駐車場に車を停め、この風景を眺めながら昼食をとるそう。淡々と話す鈴木さんの、日常的に自然に親しむ一面が垣間見えるエピソードだ。

取材・文章・撮影/Riko 写真提供/竹六商店

求人情報

工房名:株式会社 竹六商店

働き方:
フルタイム(正社員)

給与:
月給215,000円〜
※技能に応じて相談

勤務地:
滋賀県東近江市福堂町3488

勤務時間:
8:00〜17:30(休憩時間:1時間30分)

仕事内容:
【竹六商店の竹材に関わる各種作業を担当していただきます】
・保管庫内の在庫整理
竹に実際に触れながら、種類や特徴を学んでいただきます。
・竹材の矯め(矯正)作業
竹ごとの個性や用途を理解しつつ、適切な加熱・力加減でまっすぐに整えていく作業です。
・竹材の防虫処理
エンドユーザーに安心して使っていただくための、予防的な防虫処理を行います。
・竹材の加工作業
基本は矯め作業が中心ですが、状況に応じて周囲のメンバーと協力し、加工工程をサポートしていただく場合があります。

福利厚生:
社会保険(健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険)
交通費支給

休日休暇:
【年間休日:110日】2026年実績
日曜・祝日、他(会社カレンダーによる)※土曜出勤(会社カレンダーによる)
GW、夏季休暇、年末年始休暇、有給休暇、慶弔休暇

求める人物像:
竹をまっすぐに矯める(矯正する)作業が主な業務です。
ただし、加熱の加減や力の入れ方は竹によって1本1本異なり、決まった正解はありません。
その違いを楽しみながら、自分で考え工夫し、丁寧に向き合える方が向いています。

矯めた竹材をそのまま出荷する場合もあれば、社内で追加の加工を行う場合もあります。
そのため、竹と丁寧に向き合う姿勢に加えて、職人同士で連携しながら作業を進める協調性が必要です。
自ら考えて動ける主体性と、周囲と協力しながら仕事を進められる方を歓迎します。 

募集期間:
2026年5月26日 〜 2026年7月20日

採用人数:
1名予定

選考プロセス:
書類選考
1次面接(面接と簡単な実技)
最終面接
内定

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・選考プロセスは変更になる可能性があります。
・不採用理由についての問い合わせにはお答えできませんのでご了承ください。

その他:

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